教育内容
幼児は自分の身体を使って、何かをしたいという強い内なる欲求をもっています。この時期は自分の思い通りに身体や指先を動かす発達課題をもっているからです。
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「敏感期」にいる幼児にとって、身近な親のする事は一番の魅力です。身の回りにある物を使い幼児のサイズに合わせて魅力的に環境を整え、ひとりでできるように援助します。
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自由に教材を選び、活動を好きなだけ繰り返すことにより、運動の調整や生活技術の習得の他に、独立心、自立心等、内面の成長を助けます。後に続くすべての分野の基礎となる領域です。
幼児期は感覚器官を通して外界との接触を特に敏感に吸収する時期で、感覚器官を完成すると同時に、人格形成の時期でもあります。
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美しく魅力的なモンテッソーリの感覚教具を使って、視覚、触覚、嗅覚、聴覚、味覚に訴えながら物の同一性や漸次性を確かめる力、識別分類する力を育みます。数、言語、文化教育への広がりを持つ基礎領域です。
幼児期は、言葉に対して大変感受性が強い大切な時期です。「きく・はなす・かく・よむ」の四段階に整えられた教具を系統的に使うことによって子供自身で楽しく言語習得ができるようになります。
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言葉に非常に関心を持つ時期の子供たちに、身近な自然や生活に根ざした事物に関する語彙の拡充を助ける活動もします。
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言語習得の大切さは、コミュニケーションのための道具としてだけでなく、考えるという事を行うために言葉を使えるようにすることにもあります。
マリア・モンテッソーリは「人間は本来数学的である」ことを洞察し、数の領域でもユニークな教具を考案しました。まず、感覚に訴える教具によって量を具体的に把握させて、抽象的な数へと導きます。
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今まで感覚的に漠然と理解していたことが、数教育によって秩序づけられ整理されていきます。数式を解いたり、暗算することが最終目的でなく、人間として生きていくために必要な数学的思考を身につけていきます。
自らを創造する子供たちの集大成であり、これから出ていく社会への第一歩でもある教科です。
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地理・歴史・芸術・宗教他あらゆる人間的営為から学び、具体的な事物を観察し探究し、世界の全体像、事物間の偉大な統合としての文化に導かれていきます。
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世界について知ること、語彙を拡充することからさらに「人間の使命を果たすこと」について学ぶに至るのです。